2016-2017年

茨城県河内町は歴史的にコメの生産が盛んなエリアである。河内町のまちづくりにわたしたちは長くかかわってきた経緯もあり、コメを生かすべく、農研機構で開発されたコメの新素材「米ゲル」を生産し新素材を世に出すための生産実験施設「ライステクノロジーかわち米ゲル実験工場」の設立支援、設計を行った。

事業はヤンマーホールディングスが中心に、地元企業も参加した新会社「ライステクノロジーかわち」を設立しスタートすることになった。

建物は新築せず、河内町にある古い給食センターをリノベーションし、実験、生産施設としている。

同時に私たちは河内町の総合戦略に基づき、事業全体の企画及び「内閣府地方創生助成金」の導入支援も行った。

米ゲル-ライスジュレに関するパンフレット。グルテンフリー製品の素材になるなど、米を使った新しい多機能製品の特徴をまとめている。

ヤンマーのガスヒートポンプシステムも導入し、省エネルギー化を実現している。ガスヒートポンプシステムとは、ガスエンジンを使用したヒートポンプサイクルにより、冷房・暖房を行うシステムである。

内部レイアウト。建築の中にもうひとつ箱を作るというコンセプトで、給食センターの内装を今回のプロジェクトに合わせて断熱パネルによりレイアウトし直した。もともと食品関係の施設だったので、排水などやりやすい部分が多かった。天井と箱との間は配管及びメンテナンススペースとして使われている。これはのちの糸島ラボ計画にも考え方が引き継がれている。

米ゲル工場は当社がプロデュースした長竿亭とも隣接し、河内町中心部長竿地区の活性化に貢献している。

なお、2024年1月に、実験施設の事業を終え、施設は閉鎖された。今後の事業展開は検討中ということなので、次を期待している。