Stream-Tamagawaの中心に位置する階段に、NY在住のアーティスト、ピーター・フェンド氏の作品をパブリックアートとして配置することになりました。その製作過程についてご説明します。


私たちのチームは設計企画コンペ時から、パブリックアートによる街区の活性化を提案の骨子としており、設計者として選出された直後から、アートディレクター鈴木晶久を中心にアーティストの選定を行い、結果として二人のニューヨーク在住アーティスト、ジョン・デ・ルッカ氏のネオンアートと、ピーター・フェンド氏の地図のアートを提案、クライアントに了承され、アートプロジェクトがスタートした。

ニューヨークでの打ち合わせ風景

手を上げているのがピーター・フェンド氏

ピーターのコンセプトドローイング

ピーター・フェンド氏の作品は、地図を使ったアートで世界に知られているが、その地図のアートを、半屋外であり、人の手が触れる場所である屋外階段に面して設置するという、これまでにない試みとなった。

そのやり方について、鈴木を中心に検討を行い、その手法として、下地にアルミニウムパネル、表側の保護としてポリカーボネイト板でサンドイッチし、地図自体も特殊な溶剤でコーティングするという手法を編み出した。ピーターの作品の殆どは美術館や個人のアートコレクターが所有しており、これまでにない手法をこの地で試すこととなった。

ニューヨークでの作品の製作を終え、国内に搬入された地図、ここから先は、日本での加工と設置となる。下地となるアルミパネルの切り出しは、二子玉川の私たちのデザインした一連のプロジェクトのメタルワークを担当したTRANSHIPである。

地図への特殊溶剤のコーティング

下地となるアルミパネルの確認。

現地への取り付け。

これら多くの過程を経て作品は半屋外である階段部分に取り付けられた、竣工して10年がたつが、作品は未だに竣工時の姿のまま、アートとしての輝きを放っている。二子玉川の地に根付いたパブリックアートとして、建築だけでなく、街路そしてまちの価値を高めている。

設置後の様子。今も作品に痛みはなく、設置当時と変わらないオーラを放つ。